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現実part 2
成長していくにつれて何とも思わなかったことが無性に気になることがある。思春期の男の子のようなものだ。当たり前が当たり前じゃなくなる。そんな感じ。それと同じように僕もどちらが現実で夢なのか。
判断材料がないかと探してみたが、目に見えて分かるものはなかった。そんなことを考えていると、彼女が覗き込んでくる。
「どうしたの?何か悩み事があるなら相談にのるよ。」
いないかもしれない彼女に相談するのは何か変な感じがしたが、とりあえず話すだけ話してみよう。
「僕は明晰夢っていうのを見てるみたいなんだ。」
彼女は僕の顔をじっと見ながら、うなずいた。
「どっちが〈現実〉でどっちが〈夢〉なのか分からないんだ。」
彼女は少し考えるような仕草をした。
「んーと。つまり私かもうひとつの世界の方のどちらが本物かが分からなくて迷ってると。」
「分かりやすくいうとそんなとこだね。」
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