寒い朝

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 はあ、と吐く息が白い。  手の中にあるホットドッグも同じくらい白い湯気を立てている。 B「こら!なにサボってるんだよ」  ホットドッグに噛り付いていると、背後から声をかけられた。  聞き慣れた声のする方向に顔だけ向ける。 A「サボってないよ。これ食べたらちゃんと働くもん」  もぐもぐと食べ進める私を見て、同い年の同僚が呆れた顔をしてため息を吐いた。  その息も同じくらい白い。まだ朝も早いからひどく寒いけど、毎日のことだから私も彼もすっかり慣れてしまっている。 B「時間内に配り終われなくても、手伝ってやんないからな」 A「って言いつつ、いつも手伝ってくれるもんね」  今日も鞄に詰められた手紙はずっしりとしている。  一緒に頑張ろうと笑いかけると、呆れた顔をしたまま「手伝って欲しけりゃ、ホットドッグ半分よこせ」って言ってきたから、聞こえないふりをしておいた。
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