わたしは、リコ

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 わたしは、リコ。十歳。  しょうた君のことが大好きです。  しょうた君が笑ってくれると、まるで庭のヒマワリが咲いた時みたいに世界がパッと明るくなって、ひなたぼっこしている時みたいに心がポカポカするんです。  でもね、しょうた君、最近なんだかさみしそう。わたしにもその理由はわかっているんですけど……。 「……はぁ」  あらら、大きなため息。しょうた君ったら、もう三十分もこうしてコタツに入って、窓の外をぼんやりながめています。  今外を見たって、しょうた君の好きなヒマワリは咲いていないのに。あるのはゆうべの雨でできた、大きな水たまりだけです。 「……なぁ、リコ。俺、どうしたらいいんだろう」  ため息よりも、うんと小さな声。しょうた君の心は今、あのどんよりとした曇り空より、もっともっと重たくくすんでいるのでしょう。 「このままじゃ、もう会えないんだよ……」  ひざを抱えたしょうた君は、わたしより小さく見えます。しょうた君、そんな悲しそうな顔をしないでください。笑ってください。  しょうた君の周りをくるくると回ってみるものの、しょうた君は相変わらずじっと一点を見つめています。 「リコぉ……」  そんなふうに名前を呼ばれると、心臓がきゅうと痛くなります。  わたしは、しょうた君の笑顔が好きなんです。  こうなったら、わたしがしょうた君の笑顔を取り戻します!
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