第1章 南の島からストーリーは紡がれる

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「こーっら、アシスタントマネージャーさん、なぁに、この忙しい時に黄昏ているのかなぁ?」 その声で現実に一気に引き戻された。 そうだ!僕は今南国の島にいるのだった。 僕を現実に引き戻してくれたこの人はサイトシーイング(観光担当)マネージャーの神城美桜(かみしろみお)で あった。 僕が今働いているこの場所は小さな会社で地元の人達(ここではローカルファミリーという)の協力のもと治先輩が立ち上げた「YASEIJI corporation」という所だ。 ちなみにこの会社名を日本語にすると「野生児の会社」となる。かなり遊び心ある会社名で治先輩といえば治先輩らしい。 事業内容は地元の人達に向けた商品を揃えたこじんまりとしたスーパーマーケットと15の部屋の宿泊施設、地元の料理や日本料理のレストラン。野外でお酒を楽しめるの屋外のバーやなんと目の前でシェフの調理パフォーマンスが堪能できる鉄板焼まである。 さらになかなか観光スポットが多いこの島での日本人観光客に向けた島内観光、ローカルの人達や宿泊客のためのコインランドリー、手作りパンやスィーツのコーナーととにもかくにも盛りだくさんなのである。 「こらこら、いつまで黄昏てるのかなー、よしくんマネージャーさんは。ホームシックですかー?」 またまた美桜さんの一言でさらに現実に戻ることのできた僕であった。
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