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淡い恋
そこは人の命が儚い日本の戦乱の時代
やがて 覇者が現れて ひとときの平和をもたらそうとした
そして雪の舞う季節に覇者たる信長公に異国のバテレテン パーデレ(神父達)や商人の一行がたち寄りしは
信長公の支配下にありし小国の領主の舘
舘から聞こえるはまだ聞いた事もない楽器にて奏でられたる異国の妙(たえ)なる音楽
夢の中の・・天上にて迦陵頻迦(かりょうびんが)や乾闥婆(けんだつば)
が奏でる音楽のような夢心地 すぐそばには吉祥天 弁財天がいるがごとく・・・
異国のまだ幼い面影の残る少女が奏でるリュートと呼ばれた楽器・・
奏でる少女の指先が止まる
人々はうっとりして一瞬、静まりかえるが やがて 拍手の嵐 いやはや素晴らしいものだ
一行の異国の商人の一人が口を開く この可愛い演奏者は我が姪っ子
同じ商人である弟の娘南の国のマニラで生まれ私と同じポルトガルの多くの同胞が定住してくらすマカオで育ちました者
来年の春には 海を越えて本国ポルトガルに戻る事になっておりますが
美しい東洋を離れる前にこの桜の美しい国を見せたく思いまして
信長様は少女の演奏の腕枕をパーデレさま達より伝え聞いて
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