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彼女は腕を組みなおして、話し続ける。
「だが、神がどうのこうのというのは建前にすぎん。連中は明らかに私や私の子を探しているな。後継者問題で色々と面倒になるからだろう。まあ私にせがれなどいないわけだが。」
そこで彼は、ふと疑問に思った。いや、疑問といえば、出会った時から疑問だったのだが。
「あの、レイさん。」
「なにかね。どこか引っ掛かる点でも?」
彼女は納得したように口を走らせる。
「ああ、君との子供はいずれ設けるつもりだよ。何人欲しいかい?私は5人は欲しいわけだが。」
彼はまた一人で顔を紅くして否定する。
「違いますから。あの、レイさんの兄弟は後継者の第一皇子以外は、皆お亡くなりになられたんですよね。」
「ん?ああ、そうだ。」
彼は一つ一つ確認するように口を開く。
「それで、こんどこの街にやってくるのは、王の二番目の息子。第二皇子。」
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