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少女とホットドックの食べ歩きをした雪の日の7日後、寒い日が続くなあと思いながら、軽トラの屋台が歩いていたら軽トラが見えるホットドック屋だ。
少女はぱあっと顔を表情をかえホットドック屋に近づく。店主のおっさんがたばこをふかしながら、僕たちの姿を見てニヤッと笑った。
「お、嬢ちゃん、坊主、また来たね。2人とも今日も買っててくれるんだろう?」
と楽しげに聞いてきた。いや、僕は違うもの食べたいと思ったが、
「うん、こんな寒い日はあったかいもの食べるといいんだって母さん言ってたから!」
と彼女が答え、買う流れになってしまった。
「坊主も食べてくんだろう?」
「いや、僕はいいよ。おなかすいてないし。」
とその手には乗らないぞと思いながら、そう返した。おっさんは残念そうな顔をしたが、ふと意地の悪い笑みを浮かべて、
「そうか、そうか、嬢ちゃんと半分こするのか、そりゃ野暮なこと聞いちまったな。」
とニヤニヤ笑いながら、2本目のたばこに火をつけた。何言ってるんだ。余計なお世話だ、と思いながら、ふんっとそっぽを向いた。何か言い返そうとしても、負けそうな気がするからだ。
「大丈夫だよ。私の少しあげるから!でも少しだよ、少しだけね。」
と少女が笑ってこちらを見る。少女の後ろに立っていたおっさんが、よかったな坊主と言いたげな顔で笑っていた。
大人ってずるいな。そう思いながら、僕はそっぽを向き続けた。
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