10人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
処置からすでに2週間が経とうとしていた。
あのファミレスでの出来事の方が記憶に新しいくらい
当たり障りない、変わらぬ日々が続いた。
懸念していた頭痛やらなんやらも、これといって自覚症状はない。
「だからあんたは昔から心配しすぎなんだって」
大きく笑う彼女は、僕の姉である水野 千秋(ミズノ チアキ)だ。
歳は24だが、僕と同じ歳の時に適合処置を受けたため
あれから容姿はほとんど変わっていない。
僕らはカフェでコーヒーを飲みながら、他愛もない話で盛り上がっていた。
「まぁでも、何もなくて安心したよ。弟を心配するいい姉だなぁ」
「そういうの、自分で言うなよ」
「あっ、でも同じ年齢で受けたんだしタメじゃない?!双子?!」
「見た目が変わらなくても歳はとるでしょ、普通に考えて」
「はぁ・・無駄に真面目ね。あんた絶対父さんに似たわ」
最初のコメントを投稿しよう!