ウヰスキー

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『俺ね、高校の時の初体験ですげー惨めな思いしたの。それからまともな恋愛出来なくなって。そんな俺の前に君が現れた。君はもう死んでいなくなった彼を今でも真剣に愛してる。そんな一途な君にさらに惹かれたさ。俺も君と真剣に愛し合いたいって。分かってるよ、こんなこと言われたって迷惑だって。でも、俺は君を失いたくないんだ!例え君が俺を好きにならなくても、俺は君が好きなんだ!』 弥生は涙が止まらない。震える声で弥生は言った。 『そんなの、先生は私を誤解してるんです。私はそんなに、先生に好きになってもらえるような女じゃないもの』 『謙遜と過小評価は違うんだよ!』 前にマスターから言われたセリフが比呂志の口から飛び出た。 『君の魅力は俺が知ってる!愛ってやつを教えてくれたのは君だもの!だからこれからも俺の相手してくれよ。もっともっと、そばにいて欲しい!』 弥生はただただ泣いて、何も言ってくれない。 『迎えに行くから、どこにいるか教えて』 優しく静かに比呂志は言った。 『………今、新幹線の中です。東京駅に21時に着きます』 比呂志は腕時計を見て今の時間を確認した。事務所から東京駅はすぐだったので、比呂志は仕事を中断すると、すぐ様東京駅の新幹線口に向った。 「今の告白は何?」 まだびっくりしている同僚たちは、走り去る比呂志をただ見送った。   
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