ホストのマジ恋 前編

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目が覚めると随分スッキリしていた。 起きた直後にこんなに爽快な気分なのは久しぶりかもしれない。 個室を見渡すと誰もいなかった。 大きく伸びをしながら壁時計を見ると15時だったのでギョッとした。 俺、五時間も寝てたの? お客の女の子達にLINEも電話もしていない。 今日は17時から客との同伴もあるのにっ…… 同伴とは店に行く前に二時間ほど客と一緒に過ごすことだ。 俺のために時間を作ってくれてるのに遅刻なんてとんでもない。 これから急いで家に帰ってシャワーを浴びて着替えて、美容院でヘアメイクをしてもらわないと…… 「潤さん起きました?おはようございます。」 慌てて着替えていると蛍ちゃんがのぞきにきた。 「蛍ちゃんっ起こしてよ!」 つい半ギレで言ってしまった。 「起こしましたよ何度もっ。潤さんが起きなかったんです!」 言い返されてしまった。 「いくら?」 「いりません。助けてくれたお礼です。」 「それはダメだよ。払わせて…」 「じゃあまたお店に来て指名して下さい。」 ここはホストクラブかよと突っ込みそうになった。 俺を見てニッコリと笑う蛍ちゃんの純な笑顔に、これ以上払わせてとは言えなくなった。     
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