ホストのマジ恋 前編

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「じゃあ今度は俺の──────」 俺のいる店に来てと言いかけて止めた。 仕事柄毎日何人もの女の子と出会いはあるが、みんな俺がホストだとわかっているし俺も客として接している。 外で誰かと偶然出会う時があってもだ。 いずれ客として店に来てもらいたいと思うから営業と思って接している。 蛍ちゃんにはまったくの素の自分だった…… こんなこと、ホストになってから初めてかもしれない。 付き合った子でさえ、自分を良く見せようと常に偽っていたのに…… 「どうかしましたか?潤さん?」 「……いや、なんでもない。今日は甘えとくよ。」 彼女の目が見えないから? 客にはなり得ないし、付き合うことも考えられない…… ありがとうございましたと蛍ちゃんはお辞儀をしてから個室の清掃を始めた。 彼女の横顔を少し見つめてから個室をあとにした。 もう会うことはないだろう…… 会っちゃいけないような気がした。     
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