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待合室に行くと受付の子が物言いたげな表情を浮かべながら見つめてきた。
「俺、潤ていうんだ。Auroraって店で働いてるから良かったら来て。他の子にはナイショね。」
営業スマイル全開で名刺を差し出すと、ととても嬉しそうに受け取った。
「待ってるから。」
そう言って髪を優しく撫でてあげたら目がハートになった。
この子はきっと店に足を運んでくれるだろう。
「麗子様からシャンパン入りましたー!本日10本目でーすっ!」
今日も店ではシャンパンコールが乱れ飛んでいた。
俺は酒はかなり強い方だ。
ホストの中には酒が飲めない下戸もいたりするが、稼ぐためにはより多く飲めるに越したことはない。
特にこの俺の太客のうちの一人である麗子さんは名家のお嬢様なのだが、男が酒を一気飲みしている姿に興奮するらしく、いつも大量のシャンパンボトルを注文してくれる。
飲んだら飲んだだけ金を落としてくれるありがたい客だ。
「さあ次は誰が飲んでくれるのかしら?」
「俺がいきますよ。」
ヘルプについてくれたヤツらはすでに酔いつぶれてしまっていた。
これで三本目だがいくしかない。
ノドの奥に流し込むように一気に飲んだ。
「カッコイイ潤く~ん。そそりますわあ。」
「ありがとうございます。麗子さん。」
俺は他の席でヘルプに着いていた聖也を呼んだ。
「聖也、次おまえいけ。」
聖也も酒は強い方だ。
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