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「潤さんご馳走様でした~!」
「でした~っ!」
店の営業時間が深夜に終了したあと、俺は後輩のホスト達を連れてご飯をおごってやった。
それぞれの売り上げアップの為の改善策やメンタルケアなんかもしてあげたので、終わる頃には会社勤めのサラリーマン達の出勤時刻になっていた。
「あーっ!俺も早く潤さんみたいに一晩で何百万も稼げるようなホストになりてぇ!」
聖也が叫ぶ…こいつは最近入ってきた中では一番上昇志向が強いので、特に手を掛けている。
「それに俺も良い女と付き合いたいですっ。潤さん今は誰と付き合ってるんですか?」
「今はいないよ。」
「えーっ!潤さん女欠かしたことないんでしょ?次はキャバ嬢のアケミさんなんてどうです?」
「その子は客だから…付き合うことはない。」
「え───っ!もったいない!」
どうもこいつは客に対して必要以上に感情を持ちすぎる。
ド直球な性格のようで見ていて危なっかしい部分があった……
そう思いながら聖也を見ると、すれ違う人に向かってガンを飛ばしていた。
「おまえらジロジロ見てくんじゃねぇよ!」
「聖也っ。」
人目でホストだとわかる俺達を、昼間働く人達は怪訝そうな目で見てくる……
まあ仕方のないことだ。
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