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「下ですか?えっと…蛍です……」
下の名前を聞かれたことに戸惑いながらも教えてくれた。
話す時は俺の方に必ず顔を向けてくれていたのに、名前を言う時は恥ずかしかったのか、口元に手をやりうつむき加減だった。
その仕草がとても可愛らしかった。
「俺は潤ていうんだ。よろしくね、蛍ちゃん。」
俺の周りにいるのはいかに自分が良い女に見えるかを計算して着飾ったり振舞ったりしている女達ばかりだ。
それはそれで努力していていじらしくは思うのだが……
「蛍ちゃんは天然だね。」
「えっ……私そんなにボケてます?いつもは自転車なんて倒しませんよっ。」
そういう意味じゃないんだけど……
シュンと落ち込んでる姿にまた可愛らしいなと思ってしまった。
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