ホストのマジ恋 前編

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手を握って歩いてあげようかと蛍ちゃんに言ったのだが丁寧に断られてしまった。 普通は視覚障害者の人が歩くのをサポートしてもらう時は、相手の肘の上を軽く持ち半歩前を歩いてもらうのだそうだ。 蛍ちゃんは毎日通ってる道なので大丈夫だから付いて来て下さいと俺の前を歩き出した。 点字ブロックがない道でもズンズン進み、曲がり角もまるで見えているかのように曲がる…… なんでわかるんだろうか? 「今の道は角に定食屋があって、この時間はいつもランチの仕込みをしてるんですよ。今日は生姜焼き定食みたいですね。」 なんてことはないといった感じで説明してくれた。 信号が赤に変わったのでマズいと思い教えてあげようとしたのだが、ちゃんと手前で立ち止まった。 「ここは音響式信号機なんで大丈夫ですよ。」 俺が慌てたのが伝わってしまったのだろうか…クスクスと笑われてしまった。     
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