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「おい。コラ。離れねえと襲うぞ」
軽く背中叩いて言うと、耳元で何か言った。
「あ?」
「……やです。責任取ってください」
「責任ってなんだ。責任って」
「お酒飲んだら、ふわぁってして、触って欲しくなるって、前言ったじゃないですか」
「は?」
「椿田さんが、もらって来たんでしょう」
「いや、そっちじゃなくて……お前、あン時のこと酔っ払って覚えてねえんじゃねぇのか?」
涼子は抱きついたまま、記憶を辿るようにしばらく黙って、言った。
「分かんないけど、言いませんでしたっけ?」
「あのなぁ……」
背中に手置いて溜息ついてる俺に、しがみついて首筋に顔寄せてくる。
「何してんだ」
「椿田さんの匂いする」
「……オッサン臭ぇだけだろが。だから、いい加減離れろ。俺、お前が意識ある時なら遠慮なく襲うけどな。酔ってる時は罪悪感が」
「やだ」
ぶちっ、と大人の余裕が音を立ててキレた。
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