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「入れたらどうです、ったって……」  全く考えたことがない訳じゃない。  あいつの家の事情があったとはいえ、自分ちに連れて来るなら、いざとなれば責任取る覚悟はあった。  けど……。 「じゃあ、今だけですか?」 「……だから、なんでそうなるンだよ……」  車の中で煙草ふかしながら、目の前のビルの窓明かりを見上げた。  涼子がそこに居るわけじゃないが、ああいう明かりの中でまだあいつが仕事してて、俺の知らない世界に居ると思うと。  ……俺の女なのに、という子供じみた嫉妬みたいなものが湧いてくる。  昔は女放っぽらかして仕事して都合いい時だけ会ってたくせに、勝手なもんだ。  溜息混じりの煙を吐いた時、小走りの靴音が近づいて助手席のドアが開いた。 「すみません。お待たせしました」
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