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 ベッドに体を起こして煙草を吸っていると、涼子が目を覚ました。  夜中の2時頃のことだ。 「わり。もう寝るから」  灰皿に揉み消して布団に入ると、涼子が言った。 「あの……」 「ン?」 「すいませんでした」 「……なにがだ。ほら、こっち来い」  言ってる意味は分かったが、わざととぼけて腕枕に抱いた。 「……あたし、変なこといろいろ言いましたよね」 「そうか?」 「……言った気が、します」 「たとえば?」  顔覗き込んだら、真っ赤になって胸に顔埋めてくる。  笑って、背中叩いて俺は言った。 「別にいいよ。……つか、……まあ」 「え?」 「別に、荒れて悪口言われた訳でもなし、むしろ逆だし。どれだけ好きだよって話だから、ひとっつも嫌なこたねぇし、謝られることもねぇよ」 「……月曜から、疲れないですか?」  吹き出して笑うと 「真面目に心配してるんです……」 と顔伏せる。 「わり。……けど、そこは俺も人のこと言えねえからな。やりたい時ゃ、後さき考えず襲っちまうし。……ってか、そうだな。自分がそんなだから、お前がたまにそんな風にしてくれたら、喜ぶ。今日ぐらい、殺す気かってくらい求めてくれたら、嬉しい」
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