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そう言って彼女は小さなキーホルダーを差し出した。きらきら光るチャームがついている。手に取ってまじまじと見ているうちに、はっと気がついた。
「シーラのティアラだ」
もう姿は見えないけれど、どこかで応援してくれている気がする。今こそ願い事を自分で叶える番かもしれない。
「なあ、ちょっとだけ話さないか。缶ビール一本分位の間でいいから。」
「学生か」
茶化すように笑う彼女は、満更でもなさそうな顔で近くのビールを二本手に取り、オレに押し付けた。
「おごりね」
「はいはい」
レジで財布から某レンタルショップのカードを取り出す。何の変哲もないこのカードには今この瞬間も、シンデレラポイントが加算されているのだろうか。
ふっと笑みがこぼれるのをおさえつつ、ビニール袋を手に取った。
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