お返しはシンデレラ

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「ん…おうわっ?!」 目を覚ましたオレの目の前に、全長15センチ程の女が鎮座していた。水色のドレスを着た彼女は、オレを起こすべく奮闘していたらしく、満足げに額をぬぐった。 「やっと起きましたね。私はシーラ、シンデレラポイントのガイド妖精です。」 「いや、まだ寝てる!夢だこんなもの」 「あっ目を閉じないで!いいんですか?もう家を出る時間でしょ?」 自称妖精が時計を指差す。針は7時半を指していた。普段家を出る時間だ。 念の為自分の頬をつねるが、ちゃんと痛くてがっかりする。 「あ、そうだ靴!」 思い出してガラスの靴をひっぺがそうとするが、やはり脱げない。 「それ脱げませんよ。お願いを3つ叶えるまでは。」 「はっ?」 「踵にダイヤがついてるでしょ?願いを叶えるごとにそれが消えて、全部消えたら脱げます。大丈夫、履いてても他の人にはあなたに見合った靴に見えてます。」 「そんな童話みたいなこと信じられるか。だったら今すぐ会社に連れてってくれ!このままだと遅刻する!」 妖精シーラはにっこり笑いベランダに出ると、胸元のかぼちゃ型ペンダントを3回撫でた。     
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