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「じゃあ駄目だ。おじさん、今すぐ治して貰わなきゃ嫌だね。」
困ったような、呆れたような顔でシーラが笑う。
持っていたステッキをくるくると回すと、光の粉が降り注ぎ、見る間に彼女の姿を元通りにした。
「三つ目のお願い、完了です。」
その言葉とともにガラスの靴の最後のダイヤが消え、靴自体も透けて消えていった。
慌ててシーラの方を見ると、案の定彼女も消えかかっていた。
「また、ポイント貯めてください。そしたら今度はきっと、あなたの願いを」
叶えさせてください。
風の音にも聞こえる細い声音で告げると、シーラは泡のように弾けて消えた。
「ありがとな、シーラ」
どうやってポイントを貯めるんだとか、そもそもキミが何なのかとか、色々聞き損ねたけれどまあいい。
根拠はないが確実に再会できる気がしていた。
「さて」
魔法が解けた代償か、裸足になったオレはひとまずコンビニに向かった。
とりあえず家に帰るまでの繋ぎだし、安いサンダルでも、としゃがんで棚を物色していると、ふいに声をかけられた。
「篤人くん、どうしたのそれ。」
裸足を指差す元妻。
「うん、まあその。色々?」
「何それ。まあいいや、はいこれ。」
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