恋する瞳

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僕は恋をしている。 彼女の美しい微笑みに。 柔らかな唇に薔薇色のほお、きらきらと輝いている瞳。 そっと触れると彼女は笑みを深くした気がする。 もっと触れたい。心の奥底まで。 深いところまで触れることができたらいいのに。そう思った。 彼女には僕だけを見つめていて欲しい。 僕が好きだと言ったら、私も好きだと返して欲しい。 僕の想いと同じ分だけ、想ってくれたらどんなに幸せなことだろう。 名前を呼んで欲しい。ぎゅっと強く抱きしめたい。他愛ない話に花を咲かせたい。深く繋がることができたらいいのに。 何一つ叶わない辛い恋だ。 「あなたっていつもその絵を見ているのね。まるで恋をしているみたい」 僕は恋をしている。 絵の中の彼女に。
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