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まるで物語のような恋だった
このまま息が止まってしまうかと思うぐらい、びっくりした。
どうしよう。
この学校に通っている誰かの、とんでもなさすぎる秘密を知ってしまった。
悪気は、これっぽっちもなかったのだ。
図書室が閉室の時間になったから、規定どおりに部屋を閉めようと思って、受付の席を立ちあがった。誰かの忘れ物はないかと一通り点検している最中に、ある机の上に置き去りにされていたこのノートを発見してしまったのだ。
一見したところ、なんの変哲もないただのノートだった。表にも、裏にも、持ち主の名前は記載されていない。
中に書いてあるのかな。
そう思って、何の気なしにページをめくってみた瞬間、心臓が縮みあがった。
かわいらしい丸文字でつづられていたその内容は、僕の思考を停止させるのに充分すぎるほど衝撃的だった。
死神って、なに。
それに、本が好きで、大人しい桐生くんって……もしかして、僕のこと!?
驚きすぎて、未だに、心臓がばくばくと脈打っている。
これは、一体、どういうことなんだろう。
得体のしれない謎のノートを手に、一人でかたかたと震えることしかできないでいたら、突然、図書室の扉がガラリと引かれた。
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