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少しして、ゆきさんがはにかんだように笑った時、ようやく時が動き出したように感じた。
「び、びっくりした……。一瞬、自分に言われたのかと思って、ドキドキしちゃったよ」
彼女が胸をおさえながら頬を赤らめるのを見て、胸が軋んだ。
今、彼女の顔をこんなにも赤くさせているのは自分なのだと思うと、甘くて、切ない気持ちになった。
「でも、はる君にそんな風に想ってもらえるなんて、その子は本当に幸せね。どんな子なのかなぁ」
あなたの見せた照れたような笑顔があまりにも綺麗で、目を細めたくなってしまうぐらいに眩しくて、今にも泣いてしまいそうだ。
『ゆきさん、ごめんなさい。あなたのことなんです』
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