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このあまり大きくない島の中で街から離れたところに住んでるとは言え、高台にあるわたしの家からは農作業をするおじさんや朝から談笑するおばさんたちが毎朝見えていたはずです。何より家族が家の中に居ません。お姉さまとお兄さまはどこに行ったんでしょうか、黙って出かけるなんてそんなこと1度もありませんでした。 少し歩いて街に行ってみても誰も居ませんでした。とても静かでした。これでは市場の果物だって取り放題なのに、そんな悪いことはとてもできないのでしませんがそれでもこんなに人が居ないなんてそんなこと本当にあるんでしょうか。もしかしたら夢を見てるのではないかと思いましたが、頬を抓ってもちゃんと痛いし、空気はしっかりいい匂いがしました。 今度は教会に行ってみました。神父様もお祈りに来ているおじいさんも居ませんでした。海岸に行っても釣りをしてる人も遊んでいる子供たちも、みんな居ませんでした。足元を見ると綺麗な桜貝の貝殻が落ちていたのでそれを拾って帰ることにしました。
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