127人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
どうも江口楓(えぐちかえで)です。実は皆さん私は婚約しましたー!!
いやはや驚きですね。
私みたいな女子力の微塵も無い私が、みんなの人気者「パーフェクト王子」と付き合いそこからです。
眠れない日が続いたり夢じゃないか不安になる日もあったりrrrr......。
「楓ちゃんどうしたの?」
「ひゃぃっ!!」
私は咄嗟に変な声が出た。
自分でもわかるぐらいに可愛くない。
驚きと混乱で青冷めている。
びくりと肩を震わせて横にいる声の方向を見た。
それを見てはやとは笑った。
「ぷ。・・・アハハ!なにそれ・・・ふっ。」
はやとは大きな掌で口を押さえる。
私は薄く睨んだ、冷たい視線を届ける。
......なんでこうも、笑うんですかね?失礼ですよ!
はやとはまだ笑っていて我慢できないらしい。
痺れを切らした私はやけになった。
「・・・・・・そんなに笑いたいなら笑えば?」
はやとに対して精一杯全力で皮肉を詰め込んでやった。
はやとはきょとんとしてからふっ切れたように微笑んだ。
「じゃ、笑うね。アハハハハ!!」
本当に笑った......。え?そこは普通謝って笑い合う展開じゃないの?
思ってたのと違う......。
私は真顔で見るだけ。いったいどこが面白いの?
「なんで・・・ツボんのよ。」
「アハハ・・・・・・え?」
「だから!っなん・・・・・・。」
「───楓ちゃんが。」
ドンッ。
え、被せてきて......?
状況を把握するのに時間がかかる。私......。
思考回路が停止する。
後に知ると、私はリビングの椅子に追い詰められた。
椅子の背に私の腰が当たって。
はやとは私と体が触れちゃうくらい密着してきた。
はやとの手が机に置いていて、私の横腰に当たる。
「・・・・・・。」
私は声も出せない。
はやとはさっきまでの笑いはあっさり消えて。
真剣な眼差し。
私は逃れることができない。
手足全体の自由が縛られる。
本当にはやとは恐ろしい。
「俺さ。も、・・・・・・無理みたい。」
「っぇ・・・?」
はやとは私を抱きしめる。
もう息が止まりそう。
心配停止......。ドキドキがヒートアップして、大人になってもドキドキする。
婚約したからって変わらない。
むしろドキドキしない人がいるならこっちが知りたいよ。
後頭部に回された掌。
背中に触れる掌。
私もはやとの背中に手を回す。
熱く熱を帯びた顔、見られたくないな。
恥ずかしい。
身長も抜かされてより大人っぽさを解き放つはやとの色気。
私がそれにやられちゃう。
そして.........。
プチッ。
「・・・・・・っやぁぁあ!!」
私はその音に最初は気づかなかったものの。
反射ではやとの背中に回してた手で自分のを押さえる。
次第にわかってきた。
緩くなった紐、上げていたものが解放感に襲われる。
はやとが取ったもの.........。それもそのはず。
最初からはやとは背中に手を回していたから。
......あ、あの時!
「ん?」
ニコニコしながら私に問いかけるはやと。
絶対確信犯だよ。
はやとがとったもの......。
最初のコメントを投稿しよう!