「いってらっしゃい。」

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爆笑するはやとを他所に私はじとーっと見る。 「・・・はぁ。」 笑い終えたはやとは笑い疲れたのか吐息を漏らす。 すると切り替えたのか急に笑顔を絶やすことなく私に言った。 「だからね。楓ちゃん。」 「え?」 「俺はいないけど一人で待てる?」 「・・・・・・私ってうさぎなの?」 うさぎは寂しいと死ぬとかいうよね。 実際はないらしいけど。 寂しいかもしれないけど心配されるほどではない。 「だってさっき寂しいって言ってたよ。」 「それは違くない!?」 なんだかいつもながらの雰囲気になったな。 やっぱり私たちはこの感じが好きだな。 「ってことなので、楓ちゃんはこれからは主婦だね。」 「主婦・・・。」 主婦か......家事だよね? レシピ通りなら料理もできるし。(一応) 掃除もそこそこできるし。(一応) あれ? 私っていけるんじゃない?(一応) 「はやと、大丈夫!」 「えー!?そこは寂しいって言ってイチャイチャするとこだよー!?」 「知らないよ。明日からお弁当作ってあげようと思ったのに・・・。」 「ごめんなさいっ!お願いします。」 「・・・・・・。」 私は少しいじめた。 はやとが悪いんだから、これぐらい許されるよね。 でも必死だな......はやと。そこまでかな? いつも私の料理食べてるのに。 もしかしてはやとお弁当が好きなのかな? 可愛いね、こういう素直なとこ。 いつもこれならいいのに。 「わかりました。明日から私がお弁当作ります。」 「やったー!!」 満面の笑顔で両手を上げるはやと。 可愛い、萌える、癒されるわ~。
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