君の声が聞こえたら どんなに嬉しいことだろう

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〈来るな!〉 「…!」 ッパァーーー(車のクラクション) 「…今…なんで…」 あいつの声が… あぁ… 「会いたいよ…お前に会いたいよ…!」 お前が 「ゆっくりでいい」って 「ちゃんと待ってる」って 「伝えに来てよ…バカ…バカ…!」 人1人の死なんて 世界中の悲しみの 本当に ちっぽけなものなのに 俺は それが悲しくて… お前と出会って 一緒に過ごして 色々こじらせて でも 最後はやっぱり ちゃんと待っててくれるのかな 叶うなら どこかで待っていてほしい まぁ死んだところで お前を見捨てた俺は お前と同じところに行けるかは分からないけど… 〈行けるさ…〉 「そんなん…わかんねーだろ…」 〈お前と一緒なら…地獄にだって落ちてやるさ…安心して…お前のペースでゆっくり来いよ…〉 「はは…そりゃありがたいわ…」 〈待ってやるさ…いつまでも…〉 お前の声が聞こえる 聞こえないものだと思い込んでいて 聞こうとしなかったのは俺だった だって こんなにも美しく お前の声が聞こえてくる 『好きだ…今までも…これからもずっと…』 『…俺もだよ……なぁ…これから先…生きても死んでも…俺の声を…忘れないで…』 俺が行くまで待っててほしい 焦らずゆっくり でも 絶対に追いつくから また会う日まで お前の声は忘れない
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