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秋というのは厳密に言うといつからなのだろう。 木々の葉はまだ鮮やかな緑色を保っているし、陽射しはじりっと強くて、羽織っていた薄手のパーカーを思わず脱いだほどだ。10月の頭はまだ夏の終わりのように感じる。 けれど、ふと見上げた先に真夏のような雲のかたまりはなく、空の青はどこまでも高く澄み渡っている。やっぱり季節はもう秋なのかもしれない。 正門から食堂前に続く自然たっぷりの道すがら、そんなことを考え、つい歩みを緩めたところで、 「沙奈ー! 早くしろよー」 大きな声がわたしを促した。 声がした食堂前広場の方に視線をやれば、今日の空のように鮮やかなスカイブルーのTシャツに、太いジーパンを履いた男が仁王立ちしていた。日光を浴びて、フワリとした金髪がキラキラと眩しく輝く。
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