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……わたしは大バカだ。 ユキの気持ちなんて、全く理解できていなかった。本当は別れてほしいんだろうな、くらいにしか考えていなかった。 ユキがまさか、フリーターの自分と、社会人の啓吾を比較しているなんて。それに、過ごした時間まで……。 啓吾との別れを要求されないことにわたしが甘え続けている間にも、彼はいろんなことを啓吾と比較して、自分を選んでもらえない理由を探していたんだ……。 わたしはこのたった1ヶ月半で、この人をどれだけ傷つけていたのだろう。 「……違うの」 「違う? なに?」 「わたしが、啓吾にどうしても言い出せないだけなの。だって啓吾……わたしこんな、裏切ってるのに……何にも、知らないで………やさしく、て……」 思わず涙が溢れて、そんな自分に腹が立った。泣けば許されることなんかじゃないのに。 ……汚い自分が嫌でたまらない。
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