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連絡をしないまま両親から合わせて7万円をもらったお金が入った
財布をジーンズのポケットに押し込み、近所の商店街へと出かけた。
ワクワクしていた。
自由。
解放。
ファストフード店で2個のハンバーガーとポテトを数分で平らげ、
店を出てすぐ近くにあったパチンコ店へと自然と足が向いた。
タバコに火を付けフィーバー台の前で命釘を睨むと
数台見た後で目星を付けて台にタバコを置くと自動販売機で缶コーヒーを買い
コーヒーを飲みながら打ち始めた。
省吾は田舎でも商店街にあるような小さな地元のパチンコ店に
悪友達と出入りしていた。本来なら高校生がパチンコ店に居ようものなら
即座に退店という所だが田舎の港町である地元では
大人たちが寛大な所があり、省吾も黙認されていた。
「お客様。」
「ん?」
「お客様、大変申し訳ないのですが年齢証明書等はお持ちでしょうか?」
「誰がや!俺は超えてるわ。」
省吾が凄むと店員は言った
「申し訳御座いません。そうだろうとは思うのですが最近は厳しくて。
免許証か何かお見せ頂けるだけで結構なのですが」
「免許証、家に置いてきたんじゃ!」
ホールの島の一角での異様な空気を感じて一人の女性店員が駆け寄った。
「どうしたんですか?、この人は私の知り合いです。」
「そうなの?何歳なの?」
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