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「その時、キミサマがオナサケをかけたのは 榊だけじゃあない。お前にもだ。 下手すりゃ術者がヤバイってのに、迷わずに禁を犯したな? キミサマは、野の者や友、他者に対する愛情を お前の(なか)に見た訳だ。  だが お前は、何事にも平気なフリをしてスカしてやがるからな。心配になったんだろ」 ボティスが言い、オレも 「それさ、オレも感謝してるんだぜ」と 言うと 「おまえも うるせぇぜ」と 炎の蝶で、顎ヒゲ焦がしやがった。 「月夜見は薄愛を気取る男だが、実際は愛情深い。 お前が助けを求めれば、必ずそれに応じる。 お前を息子のように想い始めているからだ。 敬うが()い」と、ハティが言うと 朋樹はムスっとした赤い顔のままで 頷いた。 「... を 取らない と」 知らない声、鎖を巻かれた男の声だ。 (みんな)、一気に 眼を向ける。 「血液か?」 アコが男の正面に しゃがんで聞く。 すぐ背後にハティが立った。
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