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「一の山の奈落の隙間から吹き出して来たとしたら、なんで 六山の内側には向かわなかったんだろうな?」 朋樹が言っているのは 普段 オレらが生活している市街地ってことだ。 「アバドンが、蝗と 一緒に放ってるならさぁ クライシサマとかが いたからじゃねーのー? モレクとクライシって、ワンセットだったしさぁ。 クライシって モレクに使われてたじゃん」 シェムハザがルカに「一理あるな」と 同意する。 「俺等の行動に合わせて移動しているとも 考えられるがな」 ボティス...  と、皆 似たような顔で見たけど 確かに、それも考えられるんだよな。 最初は こっち側、儀式の山に向かう方向で アンバーが灰色蝗を拾う。 海に行ったら、海で 灰色蝗びっしりだしな。 「僕らを見張っているということか?」 「灰色蝗が出たのは、俺等がモレクの身体を取りに、奈落に入った後だからな。 アバドンが、灰色蝗を使っている奴に 俺等を見張らせていることは 考えられる」 ジェイドにボティスが答えていると 「奈落には、俺も行ったのにナメてやがるよな」と、ミカエルが眉間にシワを寄せた。
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