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「灰色の蝗に憑かれていた者のことだが... 」
冬の海から ジェイドの家に戻ったオレらは
プラモデルを持って、召喚部屋に移動した。
松の海の近くの コンビニ前で会った
背中に大量の灰色蝗が うじゃうじゃ付いてた人が、首なしの遺体で見つかったからだ。
会話も交わしてないけど、つい こないだ会った人だし、亡くなったと聞いても まだ現実感がない。
驚いたし、何かは胸にあるけど
“悲しみ” だとか、そういう名を付けられないようなものだった。
灰色蝗は、付くだけじゃなく 吸血するらしい。
黒蝗のように、囁いて唆すだけじゃない。
実害があるタイプだ。
被害者の人が吸血された時は、貧血以外には
何も変わったところがなかったから
検査後に解放して、ボティスの地界の軍のヤツが見張りについてた。
その見張りは、もちろん悪魔だし
人間には 姿を見えないように隠せる。
なのに、被害者の男は 見張りの悪魔に襲い掛かり
手首を噛んで吸血して、二階のバルコニーから
跳んで逃げたらしい。
男は、人通りの少ない路地で見つかったけど
正座した形で、首が無かったようだ。
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