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クローゼットにスーツと ジェイドの予備の神父服(スータン) 幾らかの衣類と下着類。 棚に 清めた麻縄や稲藁、半紙や筆、聖水聖油... と 着替え以外にも 仕事道具も置いてある 寝室のベッドに転がると 「あー... 疲れたよなぁ、なんか」と ベッドに肘ついたルカが またあくびする。 元は二部屋だった寝室も、壁ぶち抜いて 長い一部屋にリノベーションしてあるので 壁際に沿って二台ずつ、四台のベッドと 奥に一台、入口付近に一台、計六台のベッドだ。 内二台は折り畳みだけど、だいたい広げっぱなしにしてある。畳む 一手間が面倒なんだよな。 歩くスペースあるからいいしさ。 「でも、海 行って良かったよな」 ベッドに座った朋樹が言うと 「天でリラちゃんも目覚めたし、家系の呪詛も解けたしね。女神マリも戻った」と ジェイドも満足げに言った。 リラが目覚めたことは オレも本当に嬉しかった。 エデンに追って入って、地上のルカの元に連れて戻れないと分かった時は、ショックだったけど。 「預言者になる前に、ルカに恋していたとはね。 ボティスも海に入ったのに」 「リラちゃんと話せるようになったら ルカの何が良かったのか、是非聞きたいよな」 ルカは、ジェイドや朋樹に 「うるせーしぃ」って言ってるけど 全員 顔は晴れやかだ。 それにさ、そうなんだよな。 ルカは いつか、リラと話しをすることも出来る。 天と地上とに 離れていても。
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