本当は、君じゃなきゃ

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本当は、君じゃなきゃ

「私と取引しない?」 一年前、彼女のユイカから言われた言葉。 「私には好きな人がいる。あんたにもでしょ?」 「だから何だよ」 「どっちかが本命と付き合うまで付き合わない?」 「は?」 「だって、嫉妬させたいでしょ?」 彼女曰く、俺はユイカの好きな人にそっくりらしい。 この時、揺らいだのは頭の中をずっと独占するあいつ__結のせいだ。 くだらない理由だが、ユイカと付き合えば嫉妬させられると思ったのもあるが、結と名前が似ている彼女の名を呼ぶことで、ぽっかりとあいた穴を塞げるような気がしたからだ。 取引として付き合った。 それ以上でも、それ以下でもない。
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