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いま、見られたら。
きっと、つーくんに彼女ができたと知った日よりも何かを失うような気がした。
でも、そんなことを知らない彼は吊り上げた唇を再び重ねてきた。
「ねえ、いいでしょ?」
「っごめんなさい」
逃げようとすると腕をつかまれた。
恐くて振りほどくことすらもできないほどの力の強さ。
つーくんが一メートル前くらいまでにいる。
目を合わせたくないけど、見てしまう。
「結?」
私に気が付いたつーくんは状況を察したのか低い声を出した。
「おい、お前何してんだよ?」
「は?俺ら付き合ってるし。お前にかんけーねーよ」
不意につーくんが私の耳元でささやいた。
「こいつは俺が何とかするからお前は逃げろ」
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