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「っ……!?」
「ふっ、最初からこれを見せればよかったな。そうすればお前も…………ん?」
楽しそうに舌を見せつけていた男が、私の異変に気付く。
がくがくと体が震えて動けなくなった私は、男の行動をただ怯えた目で追うことしかできなかった。
「なんだ、天音。漏らすほど恐ろしかったか?」
嘲るような男の言葉にも、私は何も言い返せなかった。
がちがちと歯の根が合わないまま、下着とスカートがじわりと濡れていく様をただ黙って見つめる。漏らしてしまったというのに、羞恥で顔を覆うことも、不快感に顔を歪めることもできない。目の前のこの男──いや、この化け物が、ただただ恐ろしかった。
「……仕方のない奴だ。ここであればまだ良いが、山に籠もったら簡単に漏らしてくれるなよ。お前の尿の匂いを嗅ぎつけて、獣どもが寄ってくるからな」
声も出ない私に、男はなぜかひどく優しい声で諭すようにそう言った。
それから、私が汚してしまったスカートと下着を脱がせてその辺に適当に放る。下半身が露わになってしまったというのに、私はまだ震えながらその様子を見つめることしかできなかった。
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