2.儀式

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「あまね……っ、これでもう、お前は俺のものだ。どれほど拒んでも、一生な……っ!」 「うん、凪の、なぎのものになるぅっ……! あっああっ、もう、もうだめっ、ひぃんっ、なぎっ、おかしくなっちゃうっ!」 「ああ、なってみせろ……っ、天音、天音っ!」 「ぅんっ、はぁぅっ、あっああっ! なぎ、なぎっ、あ、ひあぁ──……っ!」  思い切り果てた瞬間、奥まで入り込んだ凪の一物がどくんと脈打った。それと同時に体内を熱い何かが広がっていって、それだけの刺激で私は身を震わせる。  熱い。さっきまでも中を何度も擦られて熱かったけれど、今は体の内側が燃えるように熱い。なんだろう。私の体は本当におかしくなってしまったのだろうか。 「はぁっ、な、ぎぃっ……、あついの、なか、おかしいよぉっ……!」 「む……? ああ、そういうことか。すまん、俺の精液のせいだ」 「せ、せいえきっ……? ま、まさか中に……」 「当たり前だろう。外に無駄打ちする馬鹿がいるか」  何だか誇らしげに胸を張られたけれど、私の胸にはふつふつと怒りが込み上げてくる。嫁になるとは言ったが、まだ子どもを作る気なんて微塵もないのだ。それなのにこの男は、私の許可もなく中に精を放ってしまった。これで怒るなと言われたって無理な話だ。  しかし今は、怒りよりも熱い疼きの方が私を苛んでいる。もう一度、凪のもので中を擦ってほしい。奥の奥まで突き入れて、この疼きをどうにかしてほしくなる。
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