ストーリーストーリー

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「疲れてるんじゃないの?」 って言って、 お茶を入れてくれる。 この間は、 マツユキソウを、 耳に掛けて建築現場から戻ってきたから「なにそれ?」 って、 聞いたら 「佐倉さん(わたしのこと)が好きだと思ったから、 ハイお土産」 って言って、 コップにに水を入れて、 飾ってくれた。 そういう時の、 俊太郎はすごくいい笑顔で、 どんなに忙しくたって、 癒される。    同じ会社だけれど、 違う仕事してるから、 正直、 俊太郎との接点はあまりない。 ちょっとだけなら、 好きだけれど、 でもこれは恋じゃない。 俊太郎、 二十一歳、 ワタシ、 二十六歳。 年の差、 あり過ぎ。      そんな日常が続いて、 二年ちょっと経った。     誰もいなくなった事務所、 夏が近づいてきた事を知らせるかのように、 強い夕日が眩しかった。
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