100km以上離れた君

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翌日からは平常の日々に戻った。 しかし、何かが変だ。 私の何かが変わってしまった。 道行く人の中から、スーツの人を見かけるとこころがざわついた。 そして、その集団の中に、「何か」を探している私がいた。 ・・・変だなぁ。私、何を探しているんだろう・・・ 2日目にはっと気づいた。 私、彼を探してるんだ! あの時、ゴジラの前で振り向いた瞬間の「彼」を探してるんだ!!! あの時の嬉しさは、恋? いるはずのない彼を、私の住む街で探してる。 自分が投稿したSNSに、彼の「いいね」がつくかどうか、とても気にしている。 つくと嬉しいし、つかないと淋しい。 でも、必ず見つけて「いいね」とコメントをくれる。 完全な片思い。 でも、打ち明ける気持ちはない。 友達でいい。 ラン友でいた方がいい。 そう言い聞かせながら、 100km以上離れた私の街で、あなたの姿を探している私がいます。 今度会って、お別れするときには握手をしようと思います。 それぐらいのトキメキ、持っていてもいいよね。   のびたくんのようなあなたへ。                                    ゆうこ
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