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「お前って、本当……ココ、弄られるの好きだよな。糸引くくらい、すぐベタベタになる……」
絶頂には届かないが、無視できない絶妙な力加減。
もう片方の指で皮を剥かれ、花芯を摘まれながら中を擦られると思わず鼻にかかった甘い声が漏れた。
「あっ、あっ、貴文っ……」
「なんだよ? 尻振って」
貴文は焦らすように、敏感な部分の直前を指の腹で押す。
もどかしくて腰を揺らせば、スイッと指は逃げてしまった。
「や、やだっ、なんで……」
「言わないと分かんねーって。お前がもし可愛くおねだりできたら、まんざらでもねーけど」
「お、おねだり……?」
「そう。どこに何が欲しいか、明確に言ってみろよ」
耳朶に囁かれたテノールの声に、腰がとろける。
俺は唇を戦慄かせた。いつも貴文が欲しいだけ差し出していたから、自分からねだったことなんてない。
「ぁうっ……!」
貴文の指が焦らすように中をかき回し始める。
舌が攣って、うまく言葉が出てこなかった。貴文が望むことは分かる。分かるけれど、羞恥心が勝る。けれど、それ以上に快感に追い詰められていく……
俺は尻を突き出すようにしながら、掠れる声を絞り出した。
「……しい」
「なに?」
「挿れて……ほし……っ」
ヌプンっと指が抜かれる。待ち焦がれた熱を思い、俺は浅い呼吸を繰り返した。
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