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貴文が俺を見上げている。その濡れた眼差しの奥で、情欲の炎が怪しくきらめいているのが見えて、俺はギクリとした。
彼の股間は、ずぼんの上からでも分かるほどテントを張っている。
(あ……嘘だろ……貴文、俺に興奮してる……?)
「……お前って、こんな可愛い顔してたっけ」
貴文は俺のメガネを取り上げた。ボヤボヤしていた視界がますます霞む。
「貴文……?」
貴文が立ち上がる。それから、壁に片手を付いて俺の顔を覗き込んだ。
「やば。男相手だってのに、めちゃくちゃ興奮してきた。……ま、体は女みたいだし、いっか」
鼻息荒く、貴文は自身のベルトを引き抜く。それからズボンを寛げると、怒張した肉竿を取り出した。
「な、何してるんだよ、お前……っ」
「俺が、お前のこと、本当の女にしてやる」
(本気か?)
足の間に、熱いものが押しつけられて、心臓がキュッとした。
(や、やばい……このままじゃ、貴文にヤられる)
全身の血がドクドクと沸騰して、顔が破裂しそうなくらい熱を持った。
(どうしよう)
どうしよう、どうしよう、と生産性のない問いが頭の中を巡り、やがてゴクリと喉が鳴る。
(めちゃくちゃ、嬉しい……!)
何度、彼に抱かれる妄想をして抜いただろう。
貴文は女が好きだから、一生、触れることすら叶わないと思っていたのに。
「翔太。挿れるぞ」
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