326人が本棚に入れています
本棚に追加
6 ■ 望んだ日常 ■
初体験を済ませた俺は、貴文が求めるまま体を差し出した。場所も時間も関係なく盛る様子は、ケダモノみたいだ。
* * *
「お……お邪魔します」
ある日の夜。
いつものように貴文に呼び出された俺は、おずおずと彼の自室に足を踏み入れた。
何度足を運んでも、慣れない。
俺の家がまるまる入ってしまいそうな部屋だ。
家具類はモノトーンで統一されていて、ズラリと並ぶ本棚に、大きなテレビ、キングサイズのベッド、デスク、そして大人が10人はゆったりと座れそうなソファ、あと、筋トレマシーンがバランスよく配置されている。
部屋にはチリひとつない。部屋の主人が外へと出ている間、お手伝いさんが隅から隅まで丁寧に磨き上げているのだろう。
「今日は……あそこでするか」
部屋に入るなり、貴文はデスクに歩み寄ると革張りの椅子を引いて腰掛けた。
「こっち来いよ」
「え、どうして?」
「テスト前だろ。さすがにそろそろ勉強しなくちゃならねえから。お前には家庭教師を頼むわ」
「家庭教師?」
「そ。早く用意してくれよ、先生」
言って、彼はデスクの下を指さす。
最初のコメントを投稿しよう!