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プロローグ
この日も日本全土が大雨に見舞われている。雨による被害は日々増え続けているが、今は決して梅雨の時期ではない。
予測出来ない天候に振り回される人々と、人々を振り回す天候。どうやら対決の結果は、天候の完全勝利に終わりそうだ(天候を操れる技術が開発されない限りは)。季節は冬もうすぐで年越しという頃である。三日前に降りだした雨は次第に強さをまし、丸々三日降り続いている。
国内某所の都会の中の田舎のトナカイの胃の中の胃液の(?)この場所も例外ではなかった。場所は北九州の沿岸部。海に面した水産都市である。いや、都市?違うな。水産町?って規模でもないよな。よし、海に面した水産土地である。この水産土地の唯一の学校、いや、学校?違うな。施設って規模でもないよな。よし、この水産土地の唯一の囲い?は、小中高と一緒になっており、沢山の生徒と少数の先生というスタンスで、実に効率の悪い学習のba…いや、違うな、少数の生徒と超超超少数の先生というスタンスで、実に効率の悪い学習の場となっている。現在この土地では年々人口が減るという問題に直面している。というのも、幼い頃はこの土地を愛してたであろう若者達が成長するにつれ不満を覚え都会の方へと出ていくのだ。
毎年開催される「子供夢フェスティバル」では、むしろ子供を探すのが困難なほど大人で溢れており、この土地の名物お土産である「ただのスルメ」の臭いで充満しているばかりで、この事からついたもう一つの名は「大人スルメフェス気取り」。なんとも、的を射たネーミングである。
それはともかく、これから語られる話はこの都市(土地)唯一の学校(囲い?)に通学するごく普通の家庭に生まれ、ごく普通の贅沢をして、ごく普通に友達もいる?、ちょっと顎の長い少年が体験した奇妙な出来事の話である。
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