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ある日、同じコミュニティでお話ししているビターさんから個人チャットが来た。個人チャットは一対一でやり取りができて、他のユーザーはそのやり取りを見る事はできない。
「マカさん、こんばんは」
「ビターさん、こんばんは♪」
「気を悪くしたらごめんなさい。気になった事があるんです」
「何だろう?気にしないので言ってください」
「えーと、じゃあ…。
マカさんって、アーモンド王子とリアルで面識あるんですか?」
その質問に、私は少しだけ動揺した。ビターさんはあー君の秘密に気が付いたのかもしれない。
あー君は私の彼氏だし、リアルで会った事も当然ある。だからこの質問には、ただ肯定で返せば良い。
「うん♪毎日会っています」
「ですかー。変な事訊いてすみません」
でも私とあー君の関係には、みんなの知らない秘密が在る。
あー君は、確かに実在した人物で、私と付き合っていた。
あー君は、今はいない。
私にとっては変わらず、あー君は現在の存在だけど、世間一般から見たら過去の存在である事位は、私も分かっている。だってあの冷たい雨の日、私はあー君のお葬式に出ていたのだから。
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