3:俺の命日

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「会議室・・・というよりは物置みたいになってますね。防犯カメラもないし。」 「名前的には会議室ですけど長い事使ってる所を見たことないですね。」 結弦もここに入ったのは入社して間もない頃以来である。 懐かしいなぁー。 辺りを見渡している結弦に対し、春は結弦を見て不敵に笑った。 「防犯カメラが無いならやっと話せますね。YZ君。」 結弦はその言葉を聞いてひくりと頬を引き攣らせる。 「何のことでしょうか?」 とりあえずはぐらかそう。 やっぱり分かってこいつはやってたのか。 「誰にも邪魔されない場所探してたんですよねー!見つかったことですし、昨日の続きでもしましょうか!先輩!」 春は少しずつ結弦に近づく。 「本当に何仰ってるんですか?案内も終わりましたし、もうかえりまっ!!!」 結弦ははぐらかし続けようとするが急に腕を引っ張られバランスを崩す。 そのまま春の胸へ行き抱きしめられた。 「!?」 「昨日の口悪いゆず君はどこいっちゃったのかなー?先輩。」 今すぐ離れたくて結弦は全力で肩を押すがビクともしない。 力強すぎだろっ・・・!! 「・・・はなしてくださいっ!」 「僕ね、今日ずっと先輩見てたけど昨日のゆず君の方が好きだな〜」 そんなん聞いてねぇーよ! 早く離せよっ!!! 心の中で全力では全力で叫んでいる結弦。 会社の中だからなのか未だにエリートモードである。
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