魔界

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お母さんらしい獣は、ヴィランが走って仲間たちのところに行く様子をひとしきり眺めてから、ゆっくりと俺たちに視線を戻す。 「…何用でこちらにいらしたのかしら。外の荒地で騒いでいるのはあなたがたでしょう」 獣だった姿が人型になる。顔には紗がかかっていてあまり見えなくなってた。でも口元を見る限り綺麗な人っぽい。 刺々しい声だけども。 ルシ「ただの挨拶だ。俺はルシファーで、こっちがシェイン。荒地に住む以上、この森の主には挨拶しておこうと思ってな」 「たしかに、それだけなのでしょうね。敵意が全くないもの。でも、騒がしくしていたのは何故かしら。事によっては看過できないわ」 ルシ「なにも、ただ家を建てただけだ。それにまだ畑やら何やら作るつもりだがら、暫くは騒がしいだろうな」 「そう…こちらに害を加えないのならば、良いでしょう。わたくしはエルヴァ。この森の主たる者。そして、そうね、ヴィランの母でもある」 お母さん確定! って言うことはヴィランも将来絶対美形じゃん。羨ましい… そしていっきに声音が柔らかくなった。 エル「ヴィランに食事を恵んでくれたのでしょう?感謝します」 シェ「ん?いやいや、沢山あるし大丈夫だよ?なんだったらもう少しあげる。沢山あるから」 ほんと、空間に保管してるもののごく1部だし。 家畜…育てるのも有りかな?新鮮な肉… あれだけ広ければ放牧も出来そうだし。 エル「それはありがとう」 ルシ「ああ、そうだ。今度遊びに来るといい。多分それまでには色々できてるだろうしな。作るだけ作った施設も利用してくれるとありがたい」 シェ「だね!」 ふふ、温泉は欲しいよね。あと噴水!公園!!
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