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「…まさに顔から火が出る思いですよ…」
言いながら、男は、私の前の席に座った。
「…米倉です…米倉正造…」
眼前の男は、名刺を私に差し出した。
「…正造なんて、古臭い名前でしょ? 爺さんが付けたらしいんですが、実にセンスのない名前です…」
が、
私は、眼前の男の話を訊いていなかった…
…米倉?…
受け取った名刺を見ながら、考える。
名刺には、大光商事、課長…
どこにでもある会社…
どこにでもある、肩書…
これの一体、どこが御曹司なのだろう?…
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