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期末テスト最終日が終わった。
連日徹夜で疲れ果てた君は僕の目の前で机に伏せて眠っている。
窓から差し込む夕陽が君の睫毛をキラキラと透かしている。
眩しくないのかな。
構わず君は心地良さそうな寝息を漏らしている。
一度寝ちゃうとなかなか起きないんだよね。
ずっと友達だったから、その姿はあまりにも無防備だ。
ちっとも意識されていない事をまざまざと思い知らされて、どうにももどかしい。
あんなに好きだって伝えたのにこんな調子。
君の特別な存在になれるのは、一体いつの事なんだろう。
ねえ、僕が君を好きだと気づいたのはいつだと思う?
それは、君に好きな人ができたと打ち明けられたとき。
全身が燃え上がったように熱を帯びて、目の前がずっとユラユラ揺れていた。
最初はなぜだか分からなかった。
けど 、
君と行った夏祭り
放課後に立ち寄るファストフード
朝の待ち合わせ
すべてが無くなるのかと思った瞬間、
僕は恋に落ちたのだと思い知った。
君が寝たまま伸びをする。
目覚める前の君のサイン。
ありふれたおとぎ話のように、目覚めた瞬間に僕に恋してくれればいいのに。
「……あれ、寝ちゃってた」
いつもの君。
おはよう
好きだよ
不意打ちで真っ赤になる君を見て、嬉しくて笑ってしまう。
少しずつ変わり始めた僕らの関係。
絶対に誰にも渡さない。
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